今回は『 金属アレルギー 』について書きたいと思います。
私は皮膚科医ながら、ニキビ、蕁麻疹、円形脱毛症など皮膚のトラブルで悩んできた中で、金属アレルギーもしかり…
10代でピアスをあけて、金属アレルギーを発症したのは20代半ばだったと思います。
ピアスをすると痒くなる、そのうち赤く腫れてジュクジュクとして、ピアスをやめていたらピアスホールがいつの間にか閉じてしまったという経験でした。
まだ皮膚科医ではなかったので、皮膚科で働き始めて、もしや自分は金属アレルギーだったのだと気づきました。
数年前に今のクリニックに来て、閉じていた場所に再度ピアスをあけて今に至ります。
現在は、金属アレルギー対応のピアスをしているので、トラブルなく、ピアスライフを送れているところです。
前置きが長くなってしまいましたが、『金属アレルギー』とはどういう疾患なのでしょうか。
始めはピアスから金属アレルギーを発症することが多いです。
ピアスホールは人工的に作られた皮膚になるため皮膚が薄く、汗をかいたときにピアスの金属が溶けて皮膚に入り込み、アレルギーを獲得してしまいます。
特にアクセサリーから金属アレルギーを発症した場合は、ニッケルやコバルトという金属メッキとして使われる金属のアレルギーになることが多いです。
ピアスで『18K』と書かれているとゴールドが多いから大丈夫と勘違いする方が多いのですが、この場合、金は75%で他の金属が25%含まれていて、その25%にアレルギーを起こしやすいニッケル、コバルトが含まれていることがあるので注意が必要です。
私は、現在はチタン(アレルギーになりにくい金属)や、14kfgコーティングされているピアスを買うようにしています。
ここでまた私の失敗談を一つ。。。
ネットでチタンのピアスを購入し、夏の暑い時期にしていたら、首にひどい湿疹ができてしまったのです。
このピアス、軸はチタンだったのですが、飾りの部分の金属がアレルギーを起こす金属だったようで、ピアスが揺れて首に触れたところがかぶれてしまったのでした、、、
最後に金属アレルギーの検査について
金属アレルギーはパッチテストという検査で調べます。
「 アレルギー検査=血液検査 」と思う方もいるようですが、金属は違うのです。
実際には、パッチテスト用の絆創膏に金属の試薬をつけて、2日間貼りっぱなしにします。
絆創膏をはる部分は、背中の上の方もしくは二の腕の内側と決まっています。
絆創膏を剥がす2日目(48時間)、次の日(72時間)、絆創膏を貼った日から1週間の3回判定を行います。
例)4月1日 金属パッチテストの絆創膏をはる
↓
4月3日 絆創膏を剥がす、48時間判定
↓
4月4日 72時間判定
↓
4月8日 1週間判定 終了
金属アレルギーは、アレルギー反応が遅く出ることがある(遅発型アレルギー)ので、1週間まで判定することが重要です。
2日間絆創膏を貼りっぱなしになり、当院では防水テープを貼っていますが、基本的に始めの2日間は入浴が制限されるため、夏場は不向きな検査になります。
金属アレルギーが気になる方は、ぜひご相談ください。