皮膚科・形成外科

けが(外傷)

形成外科では、切り傷すり傷刺し傷ぶつけて挫滅した傷咬み傷などを外傷というカテゴリーにわけ、それぞれを切創、擦過傷、裂挫創、刺創、咬傷と呼びます。外傷は早めの治療が重要です。なるべく12時間以内、顔の場合は24時間以内に処置をした方が治療経過が良いとされています。もちろん時間が経ってしまっても治療はできますが、傷あとのことを考えると早いほうがいいでしょう。
 形成外科はケガの縫合はもちろん、きずあとの治療も専門としています。

切り傷(切創)

鋭い刃物やガラスなどの鋭利なもので切れた傷のことです。一般的にはまわりの組織の損傷は軽度であり、縫合することで日単位で早くに治すことが可能です。形成外科においては傷の種類に応じて単に創の閉鎖のみならず、軟膏治療や、テープによるアフターケアなどを行い、できるだけ傷あとを目立たなくするようにしています。

すり傷(擦過傷)

道路や砂利で転んで皮膚がむけた状態になる傷です。比較的浅いことが多いのですが、場所によっては傷跡が目立つこともあります。傷あとが色素沈着と言って茶色くなることもあります。また、砂利やゴミが入っている場合には、創部の十分な洗浄を行い細かい異物を除去しないと皮膚に埋もれたままになってしまいます。この状態を外傷性刺青と呼んでいます。傷が治った後に異物により外傷性刺青となった場合には、切除やレーザー治療などを検討します。

刺し傷(刺創)

先端の尖った鋭利な器具(鉛筆の芯や釣り針など)が突き刺さって生じる創で、創口が小さくても奥行きが深い事が特徴です。釣り針などは器具の先端が創内で残存し、摘出が必要になる場合もあります。また、深い刺創で血管などが傷ついている場合には止血、深部組織の修復が必要となることもあります。刺入部が小さくても注意を要する創傷です。

挫滅した傷(裂挫創)

ぶつけて皮膚が裂けた傷で切り傷に比べて傷口が大きく挫滅している傷を指します。傷口のまわりの損傷の程度により週単位で治癒に時間がかかることがあります。時には傷口のの痛んだ組織を一部切除して縫合する場合もあります。
また、創部の汚染(屋外での受傷など)を伴っている場合は、処置後の感染(細菌の繁殖)の危険性も高く、初期治療時に創部の十分な洗浄と抗生物質の投与が必要です。

咬み傷(咬傷)

人や動物に噛まれた傷で、歯に付着している雑菌が体内に押し込められて感染を起こしやすくなります。一般的には、感染を防ぐことが重要で、十分な洗浄、抗菌薬の投与、破傷風の予防注射などが行われます。
 歯による傷口は小さいので、局所麻酔をして創の切開を行い洗浄する場合もあります。洗浄が不十分なまま閉創すると、創内に膿がたまり感染が広がりやすいため、縫合せずに治療することもあります。

その他、上記以外に、海の生き物に刺されたり、トゲが刺さったり、皮膚のあらゆるキズを診察しています。